サンダイルの世界で平凡に、時に激しく、またはひっそりと過ごしたサブキャラクターたち。
例え顧みられないとしても、彼らが生きた真実は消えない。
真実だけ残るのもかわいそうなのでここに書き残しときます。
ギュスターヴ編
貧民街の長
1227年 ギュスターヴ追放で登場。
貧民街をまとめている術不能者の老人。行くあてのないギュスターヴ親子を、風雨をしのげる仮の住居へ案内した方です。
術不能者を虐げる貴族たちを憎んでいるであろう貧民街の住人が、ギュスターヴ親子をすんなり受け入れたのは、ソフィーが貧民救済活動を行っていたからと思われます。彼らが住んでいるのは風雨をしのげる程度の粗末な家ですが、ソフィーの救済がなければそれすら叶わなかったのですから。
眠れる城の兵士
1227年 故郷を離れてで登場。
夜間警備に精を出していると、船着き場の小船を使う怪しげな人影を発見した彼。
「その船、とまれ!!」静止もむなしく、術によって立ちどころに睡魔に襲われる兵士。
ギュスターヴ13世逃亡の一幕であった。
あの兵士はこの不始末をどう報告したのか気になるところですが、希代の術士シルマールでは相手が悪いと上官が納得してくれるのを祈っています。
なお、シルマールはクヴェルやツールなしに術を使用できるそうですが、ここで使用した術も術具なしで発動した術だとか。だから「スリープ」とエフェクトが違うんですね(?)
鍛冶屋
1235年、ギュスターヴと鍛冶屋で登場。
ギュスターヴは、ヤーデの鍛冶屋との出会いによりその後の運命を決定づけられたといっても過言ではないでしょう。
当初この鍛冶屋は、ヤーデ領ファウエンハイムの領主となったソフィーの息子に対し、経緯を表して「坊ちゃん」と呼んでいましたが、弟子にとると決まると「返事が悪い!」と厳しさを見せるようになります。
鍛冶屋も術が不得手だったため、石包丁よりも鉄のナイフのほうが使いやすいと考えていた模様。鋼鉄兵の源流はここにあったのだった。
とんとん拍子に出世していくギュスターヴの噂を聞いて、師匠として何を思ったか。平均寿命が55歳くらいのサンダイルの世界で、ギュスターヴの雄姿を見守れたのはハン・ノヴァ建設あたりまでだったかもしれませんが、生涯誇りに思ったのではないでしょうか。
野党集団
1235年 ギュスターヴ15歳で登場。
女を頭目とする4人組。術の素質がある子供を狙う人さらいを生業としている。子供を狙っていることや、女が頭目であることなどから、頭目以外は術が不得手であると思われます。
フリンに術の素質がないことがわからずさらってきたり、合成術が使用できなかったり、というのがいい例で、かなりお粗末な彼ら。
優秀な子供の買い取り手は数多あると思われますが、思い浮かぶのはやっぱり暗殺集団サソリ。ヨハンもこうしてさらわれたのかもしれません。
野党集団との戦闘は、初めて鉄装備を使った対人戦を試すうってつけの場面であり、鋼鉄兵の構想を得た場面だったと思います。ただ、ケルヴィンとの共闘で見せたような術と鉄の混合兵団の実現は、70年後のサウスマウンドトップの戦いを待つことになります。
銀帆船団バット、船長
1242年 ギュスターヴと海賊で登場。
海の男たちは自由な気風を持つが、時代が進むにつれて港を有力者に抑えられるようになり、どこかの国への所属を余儀なくされていました。
そんな権力を嫌うものたちの中には、海賊に身をやつすものもいました。銀帆船団もそんな一団だったのかもしれません。
バットは頭が切れ、剣の腕に優れる名実ともにナンバー2の男。船長は海賊らしく豪胆な男。
彼らは自分たちの故郷を愛してくれた「男爵」の意思を継ぎ、海賊稼業を止めて交易を始めようとしています。サンゴの髪飾り、干物、ばあちゃんのじゅうたん。船長は男爵を「特産物を大切に交易をしていた」と話していたので、商人による「もうかるものを大量生産させる」ことを強要するプランテーションのようなものが横行していたのかもしれません。それを男爵はせず、故郷の文化やばあちゃんたちの気持ちを大事にしてくれた。それが海賊であった銀帆船団の気持ちを動かしたのでしょう。
男爵もそんな銀帆船団の気持ちがわかっていたのか、銀帆船団に「海皇の宝玉」を託して死去します。
男爵
1242年 ギュスターヴと海賊で、存在のみが示唆される。
海皇の宝玉と交易権を持つ異国の有力貴族。モンスターの襲撃にあって「ギュスターヴと海賊」開始直前に死去してしまいます。
ちなみに「男爵」などの爵位は、どこの領地を治めるかによって決まっており、その起源は旧ハン帝国です。現在の爵位は「新ハン帝国」の位置づけにあるナ国の承認によって決まりました。高い順に「公爵」、「侯爵」、「伯爵」、「子爵」、「男爵」。ラウプホルツは現存最古の王国で爵位も最も高い「公爵」、旧ハン帝国の家臣をルーツにするメルシュマン地方の4か国はいずれも旧ハン帝国時代と同じ「侯爵」、ナ国の属国であるヤーデは「伯爵」です。「男爵」は最も下の階級ですので、さらに貧しい小国またはどこかの国の中の一領地を治める貴族であると推定できます。
故郷はサンゴが特産なので、比較的暖かい海に面した領地でしょう。亜熱帯に属するのはワイド、ヤーデ、それからロードレスランドあたり(熱帯は登場しない)。ワイド領主のギュスターヴやヤーデ伯嫡男のケルヴィンが「異国」と言っている(報告を受けている)のでワイドやヤーデ領内ではないと考えると、ナ国の未登場属国・東大陸と南大陸間の諸島(ナ国の属国かどうかは不明)、ロードレスランドに限定されます。
ロードレスランドだった場合、どのあたりになるか。夜の町付近は船の航行が危険であるため、交易を制限するほど活発ではなさそうなことから、ヴェスティア付近でしょうか。ストーリーに登場するということは、後のギュスターヴ東大陸上陸の橋頭堡として登場させるつもりだった可能性もあるため、ロードレスランド西海岸というのも成り立ちます。ストーリー上もとてもきれいなので推したいのですが、上陸場所のあたりは世界地図上の航路が通ってないんですよね(航路がこれだけとは限りませんが)。
かといってワイドやヤーデ近くのナ国属国だと「異国」感があまりないし、バットが「ギュス」という名前と王族の技を見てワイドの新領主に思い至らないのも不自然(近隣諸国で噂にならない方がおかしい)なので、大陸間諸島の小国という可能性もあります。上陸をスムーズに進めるためには大陸間諸島に多い海賊を抑える必要がありましたし、後年のカンタールとヤーデ伯の戦いでは大陸間の海賊がオート侯海軍を抑えるのに一役買っているようなので、銀帆船団とのつながりが後に海賊たちと良好な関係を築くきっかけになったと考えるとストーリー的にもきれいです。
ただ、「海皇の宝玉」を「王」に示した者が交易権を得られるとされています。サンダイルの世界で「王」と呼ばれているのは、ナ国王とフィニー王のみです。そう考えると、やっぱりナの属国の小領主というのが最有力でしょうか。
商船隊三銃士、首領
1242年 ギュスターヴと海賊で登場。
三銃士は腕は立つが粗野で野蛮な船員。酒場の看板娘にモーレツアタックしていたところ、ギュス様の挑発に乗ってボコボコにされる。
言葉遣いが丁寧なやつ、とにかく野蛮なやつ、本音をこぼしがちなやつの3人で構成される。ボコボコにされた後はギュス様にへつらうお調子者な面もあります。何かヘマをすると「反省会」行きとなります。
商船隊は男爵と同じ国の貴族たちが組織する船団です。交易権が無いため国内輸送のみを行っていたようですが、男爵の死を契機に交易権を掌握して他国との取引をしたがっているようです。
首領は輸送を他の船団と協調して行う中継貿易を模索しています。実現すれば、国の交易による利益は3倍になるということなので、商売の才覚は大したものだったようです。ただ、利益を重視するタイプなので、各地の特産品(ひいてはそれを扱う人々)を大事にする男爵や銀帆船団とは相容れなかったのではないかと推測されます。
ハン・ノヴァ建設担当者
1249年 ハン・ノヴァ建設
1305年 ギュスターヴの陣営へで登場。
建設時にはギュスターヴに必要以上におびえる建設屋として登場し、3区域すべてを歓楽街にすると歓楽街の帝王として1305年に再登場します。1249年の時点で妻と子がいるため、1305年時点では75歳以上でしょうか。そう考えると、非常に長生き。
河津さんいわく、名前が決まらなかったため「名乗るほどのものではありません」と言わせるために自然とコミカルなキャラになったとのこと。
274号
1260年 暗殺者ヨハンで登場。またの名をユーダという。
暗殺組織「サソリ」の一員。ヨハンと共にサソリの最終試練に合格した。「ほー、二人も残ったか」の片割れ。組織を脱走した273号を追う刺客となって古戦場であと一歩のところまで追い詰める。
わざわざ登場させたので、本当はお話があったんだろうな~と思うのですが残念ながら実装されませんでした。リマスターとかで補完されるといいな~
ウィル・ナイツ編
ミランシア
1236年 大砂漠のメガリスで初登場する。
「~ある」「~ね」などの独特の語尾が特徴。
どこか異国の出身、というわけではなく、自分で考えた言語形式を自ら流行らせようとしているだけだそうです。ただ、あまりうまくいってない模様。
キスク
1238年 潜入!アレクセイ一味で言及される。
魔物除けのクヴェルを持つ老人。そのクヴェルの本来の使い道は魔物を操ることですが、一般人には使いこなせない代物のようです。
街のみんなから慕われている存在であり、ごろつきたちの尊敬も受けています。世界に目を向けている男だそうですが、詳しい素性は判明していません。クヴェルを所持していることから、昔は有名なディガーだったのかもしれません。
よく酒場に出入りしていたということで、お酒好きが祟ったのか、最近になって急死した模様。四半期前から酒場にこなくなったとのことなので、亡くなってから3か月ほどのようです。その後、唯一の身内である孫のカイがクヴェルを引き継いでいます。
カイ
1238年 潜入!アレクセイ一味
1257年 ウィル対エッグで登場。
魔物除けのクヴェルを狙うアレクセイ一味に狙われる子供として登場したが、ウィル対エッグの頃はすっかり成長してごろつきグラフィックとなっています。キスクの家ではなく、面倒を見てくれたおばさんの家にそのまま住んでいます。
ちなみに、カイのことを子供のころから好きな幼馴染がいます。街灯スイッチの前にいる女の子ですね。
夜の町は約20年の時の流れを強調して描かれていて、様々な人が成長して老いています。見比べてみるのも面白いです。
鉱山主任
1244年と1251年の 鉱山にて に登場。
1244年にウィルにスヴェルドルフ鉱山の鉱脈の調査を依頼したが、ウィルの言葉を軽視したためにモンスターの巣につながる場所まで掘り進めてしまい大損害を被る。
1250年には、マリーと穏当に離婚するための引き換えとして鉱山管理を一任されたカンタールが、水面下で力をつけようと画策して過大なノルマを課せられる。(おそらくピンハネのため)
無理に掘り進めた結果、鉱山は1年で崩壊してしまうのだった。
アニマ教教主
1256年 アニマ教の噂に登場。
アニマが全てと信じるカルト教団の長。「急かすな、ハァハァ。ウワー!」で死んでしまう。
ちなみに、「教主様、早く!!」と言っているのがエッグ(デレク)。ウィルもあと一歩だった。
海賊船船長
1257年 ウィル対エッグに登場。
ワイバーンを使役したり、スライムと甘いひとときを過ごしたりする。
モンスターを使役している描写があるのは、海賊船にエッグが潜伏していることを示唆しているものと思われます。カイから奪ったモンスター除けのクヴェルが、まだ利用されているということでしょう。ワイバーンやスライムを使って船長に巧みに取り入ったのかもしれません。
海賊船にはほかに、箱入り娘で社会に出てから苦労したために海賊に身をやつした女海賊も出てきます。
エーデルリッターたち
1305年のサウスマウンドトップの戦い、1306年の最後のメガリスで登場。
エッグに見初められ、石切場のメガリスで超人的な能力を与えられた若者たち6人。
サルゴン(炎の将魔)は最初のエーデルリッターであり、偽ギュスターヴの最側近として活躍。「サルゴン」はドイツ語で「棺」の意味があるようです。意味深。
ボルス(水の将魔)はメルシュマン連合軍を抑え撃つ役割を担うが、連合軍のあまりの弱さに命令を無視して追撃。帰還が遅れたことで偽ギュスターヴ軍壊滅の遠因となってしまいます。
トーワ(獣の将魔)、イシス(音の将魔)、モイ(石の将魔)はサウスマウンドトップの戦いに参加している。ミカ(樹の将魔)だけ戦いに参加している様子が無いが、最後のメガリスでは人間の状態で対峙する。侍女のような恰好をしていることから、戦闘要員ではなかったのかもしれません。
エーデルリッターたちは最後のメガリスで倒す倒さないに関わらず、最後はエッグにアニマとして吸収されてその一生を終えることになります。戦闘開始前にエッグがアニマを取り込む描写があるのですが、炎のアニマだけはエッグの吸収に抵抗する素振りが見て取れます。サルゴンも一緒に戦っているのだ、と思うと泣けてきます。
コメント