ギュスターヴの弟、フィリップ。ゲーム中の演出だけでも魅力がわかる彼ですが、設定資料集などを見て2度泣きできることもあって、大のお気に入り。
今回は、このフィリップについて叫んでいきます。
少年期
母との離別
フィニー王国の第2子として誕生。泣き虫フィリップと呼ばれていた彼は優しい兄に可愛がられながら幸せに暮らすが、5歳の時に生活が一変。幼いフィリップは理由もわからないまま母と兄を失うことになる。
やがてそれが兄が術不能者であるためとわかると、幼いフィリップは悲しみを兄への怒りに変えることでつらい境遇を乗り越えることになる。
歪んだ成長
父は兄をソフィーの不義の子であると布告し、シュッド侯弟から新しく妻を迎えてギュスターヴ14世が誕生。
フィリップは類まれなる術の才能を持ち、兄への怒りから冷徹な性格へと変貌。周囲から「鉄仮面」の異名をつけられるほどに。
青年期
ノール領拝領
ソフィーの死去により空位となったノール侯を継承。フィリップはついに母に再会することはなかった。フィリップはその場で感情を露わにすることは無かったが、自室には兄だけが引き裂かれた家族の肖像画があった。
父の急逝
父が謎の死を遂げ、ギュスターヴ14世がフィニー王に即位。ノールの家臣達の不満をよそに、フィリップは14世に恭順する。敵対によって生じる混乱を防いだようだ。
結婚
シュッド侯弟の権力増大を危惧したシュッド侯は、フィリップに二女のエリザベートとの婚姻を画策。しかしフィリップは術不能者である三女クリスティーナを要求し、シュッド侯は困惑する。
クリスティーナは術不能者であることを感じさせないほど明るく元気な女性として成長していた。フィリップがあれほど嫌っていたはずの術不能者を妻に迎えた理由はわかっていないが、フィリップは妻を生涯大事にしたという。
術不能者嫌いだと思ってたのに……心の奥底には兄への郷愁が残ってたのかなぁ……とか想像させて泣けてくる。
フィリップは翌年、フィリップ2世をもうける。
バケットヒルの戦い
兄が20年ぶりに東大陸の地を踏み、後継者として名乗りを上げる。フィリップからすれば、自分の人生をどん底に落としておいて今更何を、という気持ちだったかもしれない。これを迎え撃つためにフィリップは14世軍に加わるが、バケットヒルの戦いでは傍観。戦いは14世の敗北に終わる。
フィリップが傍観したのは、ノール諸侯の14世への不満が主要因と思われる。考察はこちら
兄弟再会
テルムに入城した兄に恭順を示すため、フィリップもテルムへ入城。マリーとともに3兄弟が一同に会することに。
立場上兄に恭順を示さなければならないフィリップだったが、兄を前に堂々と殺害を宣告。しかし、兄から母ソフィーのアニマを感じ断念。兄への憎しみとノール侯として領民を守らねばならない立場、母のアニマへの郷愁がない交ぜになったまま、フィリップはテルムを後にする。
ファイアブランドの悲劇
2年後、フィリップはフィニー王家継承のためファイアブランドの儀式に挑戦するも失敗。兄の助言で息子のフィリップ2世に王位をゆだねることにする。
5年後、7歳になったフィリップ2世にファイアブランドの儀式を受けさせる。王など無理だと尻込みする息子にフィリップは「ギュスターヴおじさん」が手伝ってくれると後押しする。
「ギュスターヴおじさん」というわだかまりの解消を思わせる言葉に、不覚にも初プレイ時泣きました。これはほんとに泣いた。
フィリップ2世は無事に儀式を成功させるが、その場で何者かに暗殺される。我を失ったフィリップはその場にあったファイアブランドを暗殺者に向けて振るった。直後、フィリップはアニマを暴走させて真っ赤なドラゴンと化し、息子を連れてどこかへと飛び去ってしまった。
フィリ――――――――ップ!!!
なぜだ!なぜこんなことになったんだ!誰か教えてくれーー(プレイヤーの代弁)
直前のギュスターヴおじさんからの急転直下に心が追い付かねえんだよぉ…
16年後
炎上したハン・ノヴァへ、少数の兵を率いて偵察を行うフィリップ3世。市民を救うため、ケルヴィンの命令を無視して街の中へ突入。中央広場でモンスターに囲まれて絶対絶命のところ、真っ赤なドラゴンに助けられる。
フィリップ!フィリップなのか!?フィリーーーーーップ!!
フィリップの魅力
フィリップは、サガフロ2でも特に人間の弱さや脆さのようなものがにじみ出ていているキャラ。
兄を憎むことによって母を失った悲しみを乗り切ろうとするフィリップ。おそらく血のにじむような努力をして相当な術士となり、幼少期、泣き虫だったはずのフィリップは、鉄仮面へと変貌する。
バケットヒルでは兄と相対する。殺したいほど憎いはずの兄と戦いたかったかもしれないが、ノール諸侯は実のところ14世側の敗北を願っている。
テルムで兄とようやく再会するも、抱いた感情は憎しみではなく懐かしさ。ようやく和解したようにも思えるが、フィニー王家の再建が重圧として重くのしかかる。そして、ようやく少し肩の荷が降りたかというときに実の子を失う。
兄の存在や王を望む民の声、ノール領主としての立場などに人生を翻弄され続けたフィリップ。
そんな彼にも、きっと幸せなときがあり、それは彼の妻クリスティーナや息子のフィリップ2世、そしてソフィーとギュスターヴがもたらしてくれたものだったと思う。
そういうのが、ずっと続くといいけれど、ずっと続かないと気づかされる。
そんな人生の儚さも教えてくれるのが、フィリップの魅力かなと思います。
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